2017年5月5日金曜日

ピタゴラス数とタクシー数のパズル

ピタゴラス数とは、三平方の定理(a^2+b^2=c^2)を成り立たせる自然数の組である。
最小の組は(a,b,c)=(3,4,5)である。式に書くと、以下のとおり。

3^2+4^2=5^2

この数理を図形パズルにしてみよう。たとえば、以下のような問題がつくれる。




【問題】
『1辺が5である正方形を複数のピースに分割、重ねずに並べ替えて1辺がそれぞれ3と4である2つの正方形をつくれ。なるべくピース数が少なくなる分割方法を考えてほしい。』

この問題は、最少4ピースで達成可能である。下図はその一例である。



実は、全て長方形(正方形含む)のピースに分割するという条件をつけても、最少4ピースで達成可能である。その分割方法を探してみてほしい。

もう少し難しい問題にしてみよう。

【問題】
『1辺が13の正方形を複数のピースに分割、重ねずに並べ替えて1辺がそれぞれ12と5である2つの正方形をつくれ。なるべくピース数が少なくなる分割方法を考えてほしい。』

ピースの形を問わなければ、最少4ピースで達成可能である。

そして、全て長方形(正方形含む)のピースに分割するという条件をつけた場合は、5ピースの分割で達成可能である。その分割方法は、小田原氏と植松氏とのやりとりで、少なくとも2通りのピース構成があることが判明した。

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ところで、上記2問は、「1つの正方形から2つの正方形をつくるパズル」であったが、
「2つの異なる平方数の和として、2通り以上で表される自然数」(一般化タクシー数の1つ)を使えば、「2つの正方形から元と異なる2つの正方形をつくるパズル」というのもつくれる。
合計の単位数が最も少ないものと、次に少ないものを問題として用意した。

【問題】
『1辺がそれぞれ1と8である2つの正方形を複数のピースに分割、重ねずに並び替えて1辺がそれぞれ4と7である2つの正方形をつくれ。なるべくピース数が少ない分割方法を考えてほしい。』

ピースの形を問わなければ、最少5ピース。全て長方形(正方形含む)に分割する場合も、最少5ピースで達成可能である。

【問題】
『1辺がそれぞれ2と9である2つの正方形を複数のピースに分割、重ねずに並び替えて1辺がそれぞれ6と7である2つの正方形をつくれ。なるべくピース数が少ない分割方法を考えてほしい。』

ピースの形を問わなければ、最少5ピース。全て長方形(正方形含む)に分割する場合は、最少6ピースで達成可能である。(少なくとも2通りのピース構成)

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今回の問題はピース数が少ないため、ピースの形を示した敷き詰めパズルとして出題するには少々簡単すぎる。なので今回は、分割方法を考える裁ち合わせパズルとして出題した。紙(方眼ノートがベスト)と鉛筆を用意して、挑戦してほしい。



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