2014年11月16日日曜日

線対称形のパズルあれこれ(Puzzle to make line symmetry)


最近考案した「重ねて線対称」の話題に入るまえに、線対称形をつくるパズルについて、整理をしておきたい。





線対称形をつくるパズルは2003年に北沢氏が「symmetrix」という4ピースのパズルを考案して以降、様々なバリエーションが生み出されている。

【並べて線対称形】
「symmetrix」は「ピースを重ねずに並べて、線対称形をつくる」というもの。たった4ピース、3問であるが、とにかく解きごたえのある傑作パズルである。詳しい背景は植松氏のブログのこちらに書いてある。

~2015年4月5日追記~

「symmetrix」は、ピースがポリアボロ形であるが、ピースをペントミノ形に限定したものについては、下記のサイトで情報が取りまとめれらている。

「非線対称形ペントミノ6種のうちの異種2~4個を組み合わせて線対称形をつくる」
→植松氏らによって全解が解明されている。(こちら

「同形のペントミノ奇数個を組み合わせて線対称形等をつくる」
→Mike Reid、George Sichermanらによって解が整理されている。(こちら
 たとえば、Z型ペントミノ奇数個で線対称形を作るのには最少9ピースが必要なようだ。

~追記終了~

~2016年4月3日追記~

もちろん、ポリキューブへの展開も考えられる。
この場合は、線対称形ではなく、面対称形をつくるパズルになる。
たとえば、「PLAIN SYMMETRY by 2 Pentacubes」は植松氏の作品。(こちら)
~追記終了~


その後も植松氏のブログを中心に、様々なコンセプトの線対称形をつくるパズルが紹介されている。

【切って線対称形】
「線対称形に2分割,3分割」。これは「1つの図形をそれぞれが線対称形になるように2分割(問題によっては3分割)する」というもの。植松氏のブログのこちらに植松氏による問題がたくさん用意されている。

【切って並べて線対称形】
考案は「symmetrix」と同じ北沢氏。北沢氏により、「モンクのシンメトリー問題」と命名されている。これはルールが若干複雑で、「2つある図形のうち、指定された方の図形を2分割し、もう片方の図形にくっつけて両方が線対称形になるようにする」というもの。植松氏のブログのこちらに植松氏による問題がいくつか用意されている。

「モンクのシンメトリー問題」は2つの図形を使っているが、1つの図形ではどうなるのか考えてみた。下図にある黄緑色の図形と緑色の図形、それぞれ2分割した後に並び替えて、線対称形にしてください。2問とも2通りの解を確認している。




~2014年11月24日追記~

「モンクのシンメトリー問題」の1つの図形バージョン、これは2005年に北沢氏が「裁ち合わせて線対称形」という名前で考案していることを植松氏から聞いた。(なお、切って並べるという一連の操作を裁ち合わせという。)

そして、植松氏との情報交換により、上に挙げた問題についても新たな解が発見された。

●黄緑問題(上図左)
裏返し無の解が2通り(これが当初の想定解)、
裏返し有の解が3通り(植松氏により追加)、
目下全5解。

なお、裏返し無の解の2解のうち、
1つは素直な解、もう1つは「切り取る箇所が一定範囲内に無数にあり、並べる場所は1箇所しかない解」であり、本問題はこの解を一番意図している。

●緑問題(上図右)
裏返し無の解が3通り(1解追加)
3解とも、比較的素直な解である。

~追記終了~

【折って線対称形】
ピースを折って線対称形をつくる問題も山本氏によって考案されている。これは「1つの図形を1回だけ折って線対称形をつくる」というもの。山本氏のブログのこちらに出題がある。ピースは1枚のみという非常にポータブル(携帯に優れた)である。なお、「symmetrix」と同じ「並べて線対称形」の部類に入る、山本氏考案の「Ex3」は、そのシンプルなピース構成と意外な解の形からやはり線対称形パズルの傑作ともいえる。

今回考案した「重ねて線対称」は、今まで挙げてきた様々な線対称形をつくるパズルとは別のコンセプトで線対称形をつくるパズルができないかという思いから考え始めたものである。

次回に続く。。。


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